いつも100点じゃなくて良い
シューケアマイスター部二子玉川店の寺田です。
私たちシューケアマイスターの足元には、常に100点の状態に手入れされた革靴。
理想はそこにありますが、私は70~100点くらいをウロウロしている状態です。
・汚れ落とし、保湿、補色、ツヤ出しまで完璧。100点。
・時間がなかったから、汚れ落とし+栄養+艶出し兼用のアイテムのみで終了。80点。
・擦れが目立つ部分だけ、軽くクリームを重ね塗り。75点。
・ブラシをかけただけ、ちょっと光沢が落ちている。70点。
自己採点のおおよその基準です。
正直なところ、70点の状態がしばらく続いてしまうこともよくあります。
いつも100点の必要はない
自分を正当化するわけではないのですが、靴磨きはいつも100点を目指さなくて良いと考えています。
常に100点をキープしようとする。
それが面倒になって革靴に手をつけなくなる。何もしなくなる。
こうなってしまっては、革靴にとっても、履く人にとっても不幸だと思うのです。
できることを確実に続ける
手軽にできることから始める。
習慣になったら、次のステップを知る。実践する。
私が良くおススメしている流れです。
手元の道具は段階を追って増えていくので、「これは何に使うんだっけ?」と迷うこともありません。
いちばん手軽で、効果があるのはブラッシングです。
靴を脱いだ後、靴を履いて外に出る前に、サッと靴全体にブラシをかける。
これだけでも立派なメンテナンス、靴磨きです。
革にもよりますが、ある程度のツヤは戻ります。
表面のホコリに革の油分が吸われることもないので、コンディション維持にも役立ちます。
ブラッシングが習慣になったら、次はこんなアイテムをお勧めしています。
M.MOWBRAY PRESTIGIO・クリームエッセンシャル ¥1,700+税
表面の汚れを落としつつ、油分補給、ツヤ出しが同時にできるケア用品です。
クリームエッセンシャルを塗って、ブラシをかけて、乾拭き。
革に色を補うことはできませんが、ブラッシングだけより確実にキレイになります。
手早く作業すれば、5分ほどで終わるはずです。
ここまでで、私の採点では80点です。
いかがでしょうか?
「これなら続けられそう!」
そう思っていただけると嬉しいです。
たまにはプロに相談を
80点のお手入れ(クリームエッセンシャルを使う)を継続できれば、良いコンディションをしばらくはキープできます。
着用頻度が少ない靴であれば、1~2年くらい問題無いこともあります。
しかし、いずれはクリームエッセンシャルだけで補いきれない部分が出てきます。
・表面の擦れ
・色抜け
・革靴が吸った汗による塩分汚れなどの除去
ここをカバーするには新しいケア用品が必要です。
「このクリームを使うと、綺麗になります」
「このクリーナーを使うと、より良いコンディションを維持できます」
その一足を履いてシューケアマイスターの店舗にお越しいただければ、今必要なアイテムを確実にお勧めすることができます。
たまにはプロを頼ってください。
適度にサボりながら
このような付き合いを続けてきた革靴は、ご自身の目や手でコンディションがわかるようになってきます。
「ちょっと乾燥しているから、しっかり手を加えよう」
「前回100点の手入れをしたのは1週間前だから、しばらくはブラシだけでも大丈夫そう」
愛用の一足の状態がわかっているなら、ちょっとサボるくらい問題ありません。
靴のコンディション、ご自身の時間と相談しながら、その時々でベストな判断をしてください。
適度にサボりながら付き合っていこう。
このくらいの距離感が、革靴を長く楽しむにはちょうど良いのかもしれません。