光らせない靴磨き
こんにちは。二子玉川工房の寺田です。
磨くけれど、光らせない。
矛盾しているように聞こえますが、靴磨きではこのような仕上げ方もあります。
靴を磨くとき、私はいつも二つのことを考えながら手を動かしています。
ひとつは、素材と履く人の好みに合わせて表面を整え、靴を綺麗に見せること。
もうひとつは、コンディションを整え、靴を長持ちさせること。
素材と履く人の好みに合わせた仕上げ。
これは、なかなかの自由度があります。
光らせないことが、素材に適している。光らせないことが、履く人の好みである。
そんなこともあれば、まったく逆のこともありえます。
「この靴、光らせたくないんだよな」
そう思ったときの一助として、この先を読んでいただければ幸いです。
光沢をおさえた靴の磨き方
光らせずに靴を磨くにはどうするか?
私がよく使うのはM.MOWBRAY PRESTIGIO ビーズエイジングオイルです。
汚れを落とした後、ビーズエイジングオイルを塗ります。
オイルの表面を指先でひと撫でして取れる量を、500円玉4~5枚の広さに塗り伸ばします。
(手が汚れますし、肌が荒れてしまう可能性もあります。私は指で塗っていますが、指に布を巻いて塗る方法からお試しください)
オイルを塗ったら、豚毛のブラシを使ってオイルをなじませます。
その後2~3分置いて、表面をよく拭きます。
こちらが仕上がりの状態です。
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この光沢が出やすい仕上げと比較すると、あまり光っていないことがお分かりいただけると思います。
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光らせるも光らせないも自由
コンディションを整え、靴を長持ちさせる。
これは靴を磨くうえで、絶対に大切にしてほしいことです。
しかし表面の見せ方は自由です。
光らせるも光らせないも、素材や好みに応じて柔軟に選んでいただければと思います。
「この靴はどうしようかな」
迷ったときは、ぜひ二子玉川工房でご相談ください。
靴を見ながら、触りながら。
みなさまとお話できることを楽しみにお待ちしています。