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Meister interview vol.27 〜 ETiAM デザイナー 藤野篤子さん〜

革靴、皮革製品、靴磨きやファッションなどに精通しているプロフェッショナルな方々を、M.MOWBRAY認定のシューケアマイスターがインタビュー。

お仕事の内容、こだわりや人となりについてご紹介する企画です。

インタビューにご協力してくださったのは、2020年10月よりスタートしたバッグブランド「ETiAM」(エティアム)にて、デザイナーを務める藤野篤子(ふじの あつこ)さん。

「ETiAM」を立ち上げるまでのお話や製品に込められたこだわりについて。
藤野さんからお伺いした様々なお話をお届けしていきます。

ETiAM デザイナー|藤野篤子

大学在学中に出会った友人の影響で洋服の道を志し、卒業後は服飾学校へ。入学後に出会った海外ブランドのバッグデザイナーを務める講師の教えを受け、服飾の知識を合わせ持ちながら、バッグ作りの道に進む。

卒業後は、浅草橋で100年続くバッグ問屋に就職。職人の手作業によるモノづくりを直接目にしながら、デザインを経験する。

バッグ業界では珍しい「服飾専門の学校出身でありながら、バッグづくりに精通している」という経歴から、アパレル企業が展開するバッグブランドの企画や、生産管理など、幅広い業務を歴任。

その後、2020年3月よりバッグブランド「ETiAM」の立ち上げに携わる。

 



|「ETiAM」が提案する「コーディネイトに合うバッグ」

企画をはじめた当時は “ コロナ禍 ” という言葉が出始めたくらいの頃で、世の中がこれからどうなっていくのか、というのも想像がつかないくらいでした。

そんな中で「ETiAM」の構想を練る際、意識したのが「コーディネイトに合うバッグ」という点です。

リモートワーク、カジュアル化などの影響から、 “ デザイン ” や “ 機能 ” など、洋服の様々な部分が変わっていきました。その一方でバッグに関しては、防水で、軽くて、パソコンが入って、といった “ 機能 ” の面にこだわったものが作られていました。

だからこそ、「ETiAM」のアイテムは機能面も満たしながら ” 服を着てバッグを持ったときに、しっくりと来る ” という点を意識し、服飾の経験がある自身のキャリアも活かしながら目指しました。

|新しいジャケット、バッグに必要だった “ 柔らかさ ”

新しいジャケットに合わせる上で必要だと感じたのは、バッグそのもの、そしてそこから受ける印象の “ 柔らかさ ” です。

ビジネスシーンで着用するジャケットは、リモートワークが主流になり、従来のような “ カチッ ” としているものよりも、リラックスしたシルエットや素材のものが好まれるようになりました。それを受けて、この “ 新しいコーディネイト ” に合わせるバッグも、従来より “ 柔らかい ” 印象のデザインであるほうがぴったりだと感じたのです。

そのため、バッグとしては自立して、形やシルエット自体は保ちながらも、ほどよく柔らかな印象になるよう、素材使いや芯材の配置を調節しました。

|「ETiAM」の “ 色 ” 、それを支える技術

同時に、 “ 色 ” も意識しました。

ジャケットをはじめとしたアイテムの “ シルエット ” が変わっていったのに加え “ 色 ” も多様化しています。

そういったコーディネイトとバッグを合わせやすいように、定番色の “ 黒 ” や “ 焦げ茶 ” だけではない、 “ 青 ” や “ 緑 ” といった、ニュアンスのある色味を揃えました。

ただし、天然皮革ゆえに生じる個体差や色ムラを、一定の色で保つのは難しいです。

そのため、様々なアイテムに使われている素材である「シュリンクレザー」(画像右) は、一度アニリンという水溶性の合成染料で染めた後、透明感のある顔料を表面に薄く吹き付けています。

これにより、皮革の質感を損なわずに「ETiAM」らしい “ 発色の良さ ” を一定の基準で保つことができております。

|使用者にしか分からない部分にも、詰め込んだこだわり

・画像左:ETiAMオリジナル エターナルチャーム
・画像右:ETiAMオリジナル ジャガード生地

その他にも、オリジナルで型を起こした真鍮製のチャーム、裏地には福井県で織った、ネクタイに使用されるような細かな模様のオリジナル ジャガード生地、など、普段は見えない、あるいは使って頂く方だけが分かるような、目立ちづらい部分にもこだわりました。

モノづくりに携わる方々と接していると、

「高い技術を持っているのに、納期やロットなどの事情で本来の力を出せずにいた」

という職人さんが、すごく多くいらっしゃることが気になっておりました。そして、これらの技術の中には失われつつあるものもあります。

「ETiAM」の製品には、これらの優れた技術をふんだんに取り入れたいと考えました。

|こだわりを実現させるためのチーム

革、生地、金具の優れた技術を取り入れるにあたり、各分野に精通する職人さんと細かな調整を繰り返しました。

今回は私がお話をさせてもらっておりますが、手仕事で製品を仕上げてくださる職人さんとの “ チーム感 ” を持って、制作をすすめているのも「ETiAM」において大切な点だと考えています。

|急いでいるときでも、所作が美しく見えるバッグ。

ETiAM|かぶせブリーフ
¥64,900 (税込)

いくつかのアイテムの中でもご好評を頂いているのが、この「かぶせブリーフ」です。

「すごく急いでいるときでも、使ってくださった方の所作が美しく見える」

という点にこだわりました。
一見 “ ベルト ” で止まっている用に見えるフラップも、実は “ マグネット ” で止まっています。

なので、スマートにフラップを開けられ、手を離せば自然に閉じてくれますから、締め忘れてしまうなんてこともありません。


また、様々な用途で使う方のスタイルや洋服に寄り添うように、金具は目立ちづらいようにしています。

たとえば、この「かぶせブリーフ」には、ショルダーストラップと、それを留めるためのパーツが付属しています。しかし “ ショルダーストラップを使わない方 ” にとっては、これらのパーツは不必要です。

そのため、ストラップを留めるためのパーツは、前からは見えない位置に取り付けています(画像左)。これにより、シンプルでありながら、機能的なバッグに仕上げることができました。

他にも、強度上取り付けなければならない金具には、革を上からくるんで目立たないようにしています(画像右)。こうすることで、金具がそのままの状態でいるよりも、すっきりとした印象に仕上がります。

言われなければ分からないような細かいポイントが大事なのではないかと感じております。

|スマートフォン時代に求められるモノづくり

ETiAM|L字ファスナーウォレットショルダー
¥31,900 (税込)

もうひとつ、ご好評を頂いているアイテムが「L字ファスナーウォレットショルダー」です。

スマートフォンを入れることのできるポケットに加えて、カードケースやコインケースが付いているので、これひとつでお出かけしていただけますし、キャッシュレス時代にぴったりなアイテムだと思います。

こちらを作るにあたって考えたのは “ スマートフォンをしまう瞬間 ” です。

オーソドックスな “ パチン ” とくっつけるタイプのホックボタンは、ベルトを閉じるときにスマホの画面を “ グッ ” と押し込まなければなりません。このボタンを押し込む動作が、スマートフォンの画面に負荷をかけてしまうのではないかと心配でした。そのため、ホックではなくマグネットを採用することで、ワンタッチで開閉できるようにしました。

これに加え、マグネットの両面には磁気の影響からスマートフォンやICカードを守る、特殊な素材を挟んでいますので、安心してご使用いただけます。

|「ETiAM」を通じて “ 受け継ぐ ”

ETiAM KURAMAE

昨年2021年にはフラッグシップストアである「ETiAM KURAMAE」を、台東区蔵前にオープンいたしました。

店舗では「ETiAM」の各アイテムをご覧いただけるほか、お手入れや修理など、バッグを長く使い続ける上では欠かせないアフターサービスを提供しております。

また、店舗内には製品を作っている工房と、この工房を眺めながら、おくつろぎいただけるカフェも併設しました。

モノづくりの現場を間近で見ていただくことで、製品の魅力を感じていただけたり、バッグがどうやってできるかという部分にも、興味を持っていただけたらと思っています。

「ETiAM」の製品と、この店舗を通じて、モノづくりの精神や技術を感じていただけたり、製品そのものを受け継ぐお手伝いができたりすれば、うれしいですね。





インタビュー内容は以上です。

今回の取材は「ETiAM KURAMAE」内で行わせていただきました。店内には、お気に入りの一着に合わせて外へ出掛けたくなるような色とりどりのアイテムが並んでいて、思わず時間を忘れてしまうほど素敵な場所でした。

今回の記事を読んで、

「ETiAMのこだわりを、実際に見てみたい」
「質感や実物の雰囲気を直接見てみたい」

という方は、店舗についての詳細をご覧いただけます。
また、

2022年3月25日(金)~2022年4月3日(日)

にかけて、M.MOWBRAYの直営店舗である「FANS.エキュートエディション新橋」にて、
「ETiAM」のPOP UPイベントを開催いたします。

期間中は、今回のインタビューでは紹介しきれなかったアイテムの取り揃えに加え、税込 14,300円以上お買い上げいただいた方への、オリジナルノベルティ(非売品)のプレゼントもございます。新しい季節、気分を変えるためのお買い物にもぴったりですので、ぜひ足をお運びください。

次回のインタビューもお楽しみに。



ETiAM KURAMAE

|店舗情報
・住所:東京都台東区蔵前2-3-5
・営業時間:11:00-19:00(火曜定休)
・TEL:03-3864-2655

|各種HP、SNS
・公式HPhttps://etiam.jp/
・公式オンラインショップhttps://sacsbar.com/c/etiam
・Instagram:@etiam___official

※最新の店舗情報に関しては、事前に公式HPをご確認いただくことを推奨いたします。




FANS.エキュートエディション新橋|ETiAM POP UP

|期間
2022年3月25日(金)~4/3(日)

|場所
FANS.エキュートエディション新橋

|店舗情報
・住所:東京都港区新橋2-17-14JR東日本 新橋駅構内
・アクセス:新橋駅 日比谷口 SL広場前 徒歩0分
・営業時間:平日 11:00-20:00|土日祝 11:00-19:00
・TEL:03-6228-5155

|SNS
・Twitter@fans_shinbashi
・Instagram:@fans_shinbashi
・Facebook:@fans.shoecare

|特典
期間中、FANS.エキュートエディション新橋にて「ETiAM」商品をお買い上げのお客様には、
お守りやICカードを入れることのできる、カバー(非売品)をお渡しさせていただきます。





「シューケアマイスター」は(株)R&Dの登録商標です。

記載の情報(商品仕様、価格、デザイン等)は記事作成時の情報です。
予告なく変更する場合がございますので、予めご了承くださいませ。