【熟練度別】揃えるべき靴磨き用品〜上級編〜
こんにちは。FANS.新橋のスズキです。
学生時代の友人に会ったときには、革靴に親しんでもらおうと、靴磨きの方法などを伝えることがあります。
そんななか、あまり興味を示していなかった一人の友人が、前のめりに話を聞いてくれるようになりました。
服のスタイルが変わったようで、足元に革靴を合わせてみたいと、興味がわいてきたようです。
さて、前回までの私が担当したブログでは、熟練度別に揃えるべき靴磨き用品をご紹介してきました。
初級編では、汚れ落としから艶出しまでを手軽に行えるよう、3点のアイテムをご紹介しました。
【熟練度別】揃えるべき靴磨き用品〜初級編〜
中級編では、履きこんだ靴の擦れや色褪せもリカバリーできるよう、7点のアイテムをご紹介しました。
【熟練度別】揃えるべき靴磨き用品〜中級編〜
今回は上級編として、中級編のアイテムに加えることで、作業の効率や仕上がりがアップする3つのアイテムと、その使い方をご紹介します。
ここまで揃えていただければ、私たち工房スタッフがお客様の靴を磨く流れを完全に再現することができます。
効率、コンディション、仕上がりをアップさせる3つのアイテム
中級編でご紹介したアイテムを使っていただければ、履きこんだ革靴であってもキレイに磨き上げることができます。
そこに今回ご紹介する3つのアイテムが加われば、作業の効率、革のコンディション、仕上がりがアップします。
1.作業の効率をアップするポンプ式クリーナー
M.MOWBRAYステインリムーバーは、弊社で取り扱っている液体クリーナーです。
以前に塗った古い靴クリーム、汗の塩分汚れなどを取り除き、新たに塗るクリームの効果を高めてくれます。
中級編でもご紹介したアイテムなのですが、上級編では、容器が違うM.MOWBRAY ポンプ式ステインリムーバー500 ¥3,850(税込)をお勧めします。
従来の容器と違い、キャップの上部を指に巻いた布で1回プッシュすると、適量(布が500円玉の大きさに濡れるくらい)を取ることができます。
ポンプ式ステインリムーバーを使えば、逆の手でボトルをひっくり返して、指に巻いた布にクリーナーを染み込ませて、といった従来のアクションを省くことができます。
これで、汚れ落としの作業効率がアップします。
2.革のコンディションをアップし、キープする保湿クリーム
2つめに加えていただきたいアイテムは、革を保湿し、コンディションを整えるためのクリームです。
FAMACO1931 デリケートレザージェル ¥3,080(税込)は、保湿力に優れたデリケートクリームと呼ばれるアイテムのなかでも、革のコンディションをキープする力に長けています。
弊社で取り扱っている、M.MOWBRAYデリケートクリームに比べて、オイル分もある程度含まれているため、しっとりした状態を、より長く維持できるのです。
3.仕上がりをアップする、仕上げ用ブラシ
3つめのアイテムは、靴磨きの最後、仕上げに使うブラシです。
M.MOWBRAY プロ・ゴートブラシ ¥3,300(税込)は、ヤギの毛を使っています。
ゴートブラシは、柔らかいヤギの毛が高密度で植えられたブラシです。
仕上げに使うことで、その手前までの工程で残ってしまった革表面のブラッシング跡や、ふき取り跡をキレイにならすことができます。
3つのアイテムの使い方
それでは、3つのアイテムの使い方をご紹介します。
上級編の3つのアイテムは、中級編のアイテムにプラスして使いますので、この3つ以外に中級編で揃えた6つのアイテムを用意します。
(中級編で使った通常容器のステインリムーバーは、上級編ではポンプ式を使うため不要です)
M.MOWBRAY×SANOHATA BRUSH 豚黒毛 ¥4,950(税込)
M.MOWBRAY×SANOHATA BRUSH 馬毛 ¥5,280(税込)
まずは、馬毛のブラシで全体をブラッシングし、ホコリを落とします。
クリーナー専用の布であるリムーバークロスを指に巻き、ステインリムーバーを取ります。
布が500円玉の大きさに濡れるくらいが、1回あたりの適量です。この量で、靴の片足半分を拭き取ることができます。
ポンプ式ステインリムーバーであれば、1回プッシュすれば、適量が取れるので安心です。
革の表面を撫でるように、全体の汚れを取り除きます。
デリケートレザージェルを指にとり、全体に塗っていきます。
片足あたりの適量は真珠2粒分です。この量を2~3回に分けて、片足に広げます。
デリケートレザージェルによる保湿の工程を加えれば、革の柔軟性を高め、良いコンディションをキープしやすくなります。
豚毛のブラシで靴全体をブラッシングし、クリームを馴染ませます。
軽い力でも十分ですので、素早く、大きくブラシを動かすことがポイントです。
クリーム塗布専用のブラシ、ペネトレィトブラシにシュークリームジャーを取ります。
片足あたりの適量は米2,3粒ほどです。この量を一回でブラシに取るのではなく、3~4回に分けて塗っていくと、塗りムラが出にくいです。
ペネトレィトブラシでクリームを塗ったら、もう一度、靴全体に豚毛のブラシをかけます。
この時点で、靴に光沢が出ます。
グローブクロスを手にはめて、靴全体を乾拭きします。
表面に残った余分なクリームを拭き取ることで、表面はサラッと仕上がり、ズボンの裾などに靴クリームの色が移りにくくなります。
仕上げにプロ・ゴートブラシで、ブラッシングします。
コツは、毛先で靴の表面を撫でるように、ブラシを動かすことです。
力を入れすぎるとブラシの毛が傷んでしまうので、注意してください。
仕上がりをチェック
最後に、豚毛ブラシのみで仕上げた場合と、プロ・ゴートブラシまで使って仕上げた場合を比べてみます。
豚毛ブラシのみで仕上げた状態が、こちらです。
続いて、ゴートブラシを使って仕上げた状態がこちらです。
ゴートブラシを使った方が、表面がツルっと整っていて、より強い光沢が出ていますね。
上級編では、必要なアイテム数も工程数も増えますが、よりキレイに仕上がることが、おわかりいただけたと思います。
工程数は増えるものの、ポンプ式ステインリムーバーを使うことで作業効率も追求していますので、一足あたりの作業時間は15分(中級編の約10分にプラス5分)ほどです。
今回の上級編で、熟練度別での靴磨き用品紹介はおしまいです。
愛着のある靴をより長く、よりキレイに履くために、この上級編にもチャレンジしていただければと思います。
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