【靴修理入門】修理のタイミングを逃さないために
こんにちは。二子玉川工房の寺田です。
自分の靴を磨く習慣がつくと、靴全体の状態を良く観察するようになります。
この日々の観察は、靴を長持ちさせるために欠かせません。
特に摩耗してしまう靴底をマメにチェックしておくと、修理のタイミングを逃すことがなく安心です。
靴底で最初にすり減ってくるのは、カカトとつま先の接地する部分です。
靴を磨くときには、まずこの2カ所を忘れずにチェックしていただければと思います。
カカトのすり減りを確認する
この靴のカカトは、トップリフト(接地するパーツ)が独立しているので、すり減ったパーツを取り外して、新たなものに交換することが可能です。
※トップリフトはトップピース、化粧とも呼ばれています。
このような修理をトップリフト交換と呼びます。
トップリフトが独立している靴の場合、そのパーツの厚みがギリギリ残っているうちに修理に出すことをお勧めします。
トップリフトの厚みを超えてすり減ってしまっても修理可能なケースは多いですが、厚みが残っている状態の方が綺麗に仕上げることができます。
この靴は、元のトップリフトの厚みがギリギリですので、今が修理すべきタイミングです。
つま先のすり減りを確認する
つま先は、すり減った部分に対してゴムや革を当てて補強し、フラットな状態に戻すことが可能です。
つま先修理のタイミングは、靴を正面から見て、積み重なった底材の層の境目から判断します。
その靴の構造によって見極めが難しいところですので、ベストな修理タイミングを知るためには、靴を履き始めた頃に一度修理店で相談しておくと安心です。
この靴は、靴底にハーフラバー(前半分のすべり止め用ゴム)が貼られています。
そのハーフラバーの先端がすり減り切ってしまっていますので、今がつま先を修理すべきタイミングです。
もし、ハーフラバーの中央部分も削れて薄くなってしまっているのであれば、元のハーフラバーを剥がして新たなものに交換する修理方法もあります。
修理のタイミングを見逃さないために
この靴は、カカトはトップリフト交換が必要であること。
また、つま先も補強修理が必要であることがわかりました。
靴を磨く際、靴底の状態もチェックしておくと、適切なタイミングで修理に出すことができます。
しかし、靴の構造は様々で、似たように見える靴であっても修理のベストタイミングは異なることがあります。
・靴を購入するとき、店員さんに修理が必要なタイミングを確認する。
・靴を履き始めた頃、一度修理店にその靴を見せながら確認する。
靴と長く付き合うためには、事前にこのような確認をしておくと、適切な修理のタイミングを知ることができて安心です。
靴の修理が必要なそのときだけでなく、靴の修理が必要なタイミングを知るためにも、二子玉川工房をご利用いただければと思います。
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