クリーニングビフォーアフター~雨ジミが出来てしまった靴編~
日本橋店 2022年08月06日
こんにちは。
日本橋工房の岡嶋です。
当店では、このブログ以外にもInstagramやTwitterなど様々なSNSを通して
商品の使い方や作業方法、ビフォーアフターをご紹介しております。
そのため、日ごろから作業している靴の写真をまめに撮っています。
今日はその中から雨ジミが出来てしまった靴のクリーニングビフォーアフターをご紹介いたします。
では、早速今日の一足に登場してもらいましょう。
イタリアの高級ファッションブランド、
TOD’S(トッズ)のレディースローファーです。
ウェアから靴、鞄までトータルで展開しているブランドではあるものの、
特に靴や鞄のレザーアイテムの人気があるブランドです。
今回の靴も革の質感、大ぶりなパーツ、パーツのくすみ具合などが良い雰囲気がありますね。
しかし、気になるのはつま先に出来てしまった『雨ジミ』です。
急な雨に打たれてしまい雨ジミが出来てしまったようです。
雨に打たれたとはいえ、
甲部分には雨ジミがないあたりを見るとかなり気を付けて履いていたのでしょう。
それでも雨ジミが出来てしまうのが革靴。
とくに今回のような茶系の靴は雨ジミのご相談が多いです。
このつま先部分に雨ジミが出来てしまったのは、
①靴底(ソール)が薄いことによる、濡れた路面との距離の近さ
②靴底(ソール)が張り出していなく、アッパー(上の革)と同ライン、もしくはアッパーの方が前方に出ている
③上記①②により歩行の際につま先部分が地面に接してしまう事が多い
といった理由が挙げられます。
靴こそ違いますが、
写真の靴がまさに上記の理由が当てはまる靴です。
では、雨ジミが出来てしまった靴をクリーニングすると綺麗になるのでしょうか…
雨ジミが解消していますね。
磨きまで終えているので、濡れて乾燥した革も潤い、発色が良くなっています。
では、これは何をしたのでしょうか。
ここで登場する雨ジミを除去した作業方法が
私たちが日頃、パックと呼んでいる方法です。
雨ジミや銀浮き、塩浮きなどを解消するための作業であり、当店で承っているクリーニングにおいて仕上げの磨きを行う前の大切な作業工程です。
パックとは写真のように
ティッシュで靴全体を覆いながら霧吹きで水を吹き掛け、
靴全体に均一に水分を入れ込んでいきます。
その後は放置し、時間を掛けて乾燥するのを待ちます。
当店では、パックした靴は翌朝に乾燥具合を確認してティッシュを剥がしていきます。
ティッシュを剥がした靴を見ると、このように雨ジミが解消していました。
今回の靴は本当に綺麗に雨ジミを解消する事が出来ました。
シミの種類によってはここまで解消する事が出来ない場合もあります。
例を挙げると、油ジミやソールのインクの色がアッパー(上の革)に浸み込んでしまったケースなどは難しいです。
受付時に靴を拝見し、ご提案させていただきます。
是非、お気軽にご相談くださいませ。
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