ハイシャインのポイントはベース作りにあり!
こんにちは。京都工房の西澤です。
あせってしまったがために、失敗した。
そんな経験は、誰にでもあるものだと思います。
私は毎朝の身支度であせってしまって、よく失敗をしています。
あせらず、落ち着いて、一つ一つ行動していきたいものです。
さて、今回のブログは、靴磨きのなかでも「あせらず、落ち着いて」進めると良い作業についてのお話です。
ハイシャインの工程は、2つに分けて考える
靴磨きには、鏡面磨き(=ハイシャイン)と呼ばれる仕上げ方があります。
ハイシャインは、靴のつま先やカカトを、顔が映り込むくらいピカピカに磨き上げるものです。
ここまで光るのは、革の表面の凹凸が綺麗に埋まって、フラットな面になっているからです。
実は、ツルッとしているように見える革も、その表面には小さな凹凸があります。
ハイシャインとは、その凹凸を「油性のワックス」で埋めて、ならしていく作業です。
(油性のワックスは、ロウと油を主成分とした靴磨き用品です)
ハイシャインの具体的な方法は、こちらのブログでご紹介しています。ぜひ、ご覧ください。
↓
M.MOWBRAYブログ「ハイシャインワックスを使用した鏡面磨きのやり方」
ハイシャインの基本動作は、指に巻いた布にワックスを取り、靴に水を一滴垂らしながら磨くことの繰り返しです。
一見、単純な繰り返しなのですが、その動作は大きく2つの段階に分かれています。
① ワックスを革に定着させる(ベース作り)
② 表面をならしていく(研磨)
綺麗なハイシャインを施すには、①の工程をあせらず、落ち着いて進めることがポイントです。
ハイシャインのベース作りは、あせらずじっくり進める
ハイシャインを成功させるためのポイントは、あせらず、じっくりと革にワックスを定着させることです。
この工程はハイシャインにおけるベース作りと呼ばれています。
使うワックスの種類にもよりますが、ベース作りは、靴に水を垂らさずに進めることが多いです。
(確実に水が必要になるのは、革の表面をならす研磨の工程です)
それでは、この靴にワックスを塗って、ベースを作っていきます。
まず、人差し指にワックスを取ります。
一回で塗るワックスの適量は、一円玉の大きさくらいです。
光らせたい部分に塗り広げると、このように曇った状態になります。
ここからが、あせってはいけないポイントです。
曇ったままで不安になるかもしれませんが、ワックスを取って指で塗る工程を、約10回繰り返してみてください。
すると、曇りのなかにキラッと光った部分が出てきます。
ちなみに、黒の靴で同じ回数ワックスを塗った状態がこちらです。
このような部分的な光沢を確認できれば、ベース作りは完了です。
ベースができたら、ひたすら磨く
靴の光らせたい部分にワックスが定着したら、あとはひたすら表面を研磨していきます。
研磨の作業は、次の2つの工程の繰り返しです。
・指に巻いた布に、一円玉の半分くらいの大きさのワックスを取る
・靴に一滴の水を垂らし、布を革の表面で滑らせるように動かす
布でゴシゴシ磨くのでなく、革の表面を滑らせるように動かすことが、綺麗に研磨するためのコツです。
ベース作りをマスターすれば、ハイシャインが上手くなる
靴のつま先やカカトをピカピカに磨けるようになるのは、本当に楽しいものです。
しかし、慣れるまでは両足を磨き上げるのに、1時間くらいかかってしまうこともあります。
今回ご紹介したベース作りのポイントは、この2つでした。
・1円玉くらいの油性のワックスを指に取って塗る(水は使わない)
・この工程を10回繰り返す
ベースが上手く作れるようになれば、ハイシャインを失敗しにくくなりますし、仕上がりまでの時間も短縮できます。
ぜひ、このポイントを押さえて、ご自身の靴をピカピカに光らせてみてください。
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