ガラスレザーのお手入れ前編~5分でドクターマーチンを磨く~
こんにちは。京都工房の西澤です。
靴を磨く仕事をしていると、どうしても人が履いている靴が気になります。
電車に乗れば、向かいの座席に座る人たちの足元をざっと眺める癖がついてしまいました。
そんななか、ここ数年、よく見かけるようになった革靴があります。
ボリュームのある丸いつま先、ツルっとした光沢がある革。
半透明のグレーの靴底、その側面にはザクザクと縫われたミシンステッチ。
イギリスのブランドDr.Martens(ドクターマーチン)の靴です。
この靴、確かによく見かけるな、と共感していただける方もいらっしゃると思います。
街のなかで目にする機会が多いだけあって、ドクターマーチンの靴の磨き方、お手入れ方法についてのご相談を承ることが増えています。
ドクターマーチンの靴に使われている革は、光沢が強いツルっとしたものが多いです。
これは、おおまかに分けるとガラスレザーと呼ばれる種類の革です。
ガラスレザーは動物の皮膚(主に食肉用の牛の皮)を革へと加工する工程で、その表面を樹脂などでコーティングされています。
そのコーティングのおかげで、雨に強く、手軽に光沢を出せる素材です。
そこで、今回と次回は、このガラスレザーのお手入れ方法をご紹介したいと思います。
このブログでは前編として、ガラスレザーの簡単なお手入れ方法を。
次のブログ(後編)では、ガラスレザーをより綺麗に仕上げる方法をお伝えします。
後編のブログはこちら→ガラスレザーのお手入れ後編~ドクターマーチンをピカピカに磨く~
ガラスレザーには、この一本
ガラスレザーの基本のお手入れは、非常に簡単です。
弊社で取り扱っている万能レザーローション、M.MOWBRAY PRESTIGIO クリームエッセンシャルを使います。
ガラスレザーは表面を樹脂でコーティングしている素材ですので、雨などの水分を弾く性質があります。
水分を弾くということは、一般的に革靴の栄養補給で用いられる靴クリームは浸透しにくいです。
そこで、クリームを染み込ませるのではなく、曇ってしまった表面を拭いて光沢を取り戻してあげることが、ガラスレザーのお手入れの基本となります。
ローションタイプのクリームエッセンシャルは、伸びが良く、汚れ落とし効果を持っているうえ、光沢を出す力もあります。
ガラスレザーのお手入れには最適の一本なのです。
では実際に使ってみましょう。
最初に表面のホコリを落とす
まずクリームエッセンシャルを塗る前に、馬毛ブラシで、靴の表面に付着したホコリを落とします。
馬毛のブラシは、適度な柔らかさの毛が高密度で植えられているため、細かな部分のホコリもしっかり落とすことができます。
向かって右側のみ、馬毛のブラシをかけました。
ブラッシングだけでも、ある程度は綺麗になりましたね。
このブラッシングを靴を脱いだあとの習慣にしていただくと、綺麗な状態を維持しやすくなります。
汚れを落とし、ツヤを出す
次にガラスレザーについた汚れを落とし、ツヤを出します。
クリームエッセンシャルを、指に巻いた布に取ります。片足あたりの適量は、真珠1粒分ほどです。
汚れがこびりついた部分以外は力を入れる必要はありませんので、クリームエッセンシャルを一気に靴全体に広げます。
この時点で多少の塗りムラがあっても問題はありません。
表面を拭き取りつつ、クリームエッセンシャルを全体に伸ばしたら、豚毛ブラシに持ち替えます。
豚毛ブラシは、少し硬い毛が植えられています。この硬さを利用して、靴の表面に乗っているクリームエッセンシャルを靴全体に薄く均一に伸ばします。
豚毛ブラシをかけた状態がこちらです。
いかがでしょうか?
ここまでにかかった時間は2~3分です。
両足で約5分と、こんな短時間でガラスレザーのお手入れは完了します。
普段のお手入れはここまでで十分です。
しかし、この状態から、さらに綺麗に磨き上げたい方のために。
後編では、その方法をご紹介いたします。
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シューケアマイスター靴磨き工房 京都店
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