革靴を履き下ろす前のお手入れ・プレメンテナンス
こんにちは。京都工房の西澤です。
革靴を購入された際、履き下ろす前に革用のクリームを塗っていますか?
新品の靴は何もしなくても良いと思われるかもしれませんが、履き下ろし前の靴にお手入れ(プレメンテナンス)にはメリットがあります。
プレメンテナンスを行うメリットは、主に2つです。
① 革が柔らかくなり、履き始めの足への馴染みが良くなる
② 革にかかる最初の負担を軽くできる
順番にご説明します。
① 革が柔らかくなり、履き始めの足への馴染みが良くなる
革靴を購入したとき、その革は乾燥している場合があります。
それは、革靴が作られてから購入されるまでの間に、長い時間が経過している可能性があるからです。
製造段階で仕上げにクリームが塗られているはずなのですが、時間の経過とともに、その油分や水分が抜けてしまっていては良くありません。
革は乾燥すると、柔軟性が失われて硬くなります。
柔軟性が落ちてしまった革は、足への馴染み方が悪いものです。
履き下ろし前の靴をお手入れし、クリームを塗っておけば、革の柔軟性を取り戻すことができます。
柔軟性のある革は、足馴染みが良く、履き始めのストレスを軽くしてくれます。
② 革にかかる最初の負担を軽くできる
革靴は、履く度に負担がかかっています。
そのなかでも、足の表面を覆っている革にかかる負担は、主に2つです。
・ 靴が曲がることによるもの
・ 表面の擦れによるもの
プレメンテナンスには、革にかかる最初の負担を軽減する効果があります。
靴が曲がることによる、革への負担
日本人の歩数は、現状では一日8,000歩前後と言われています。
革靴は、一日でその回数分曲がっていることになります。
革にかかる負担は、かなり大きいことが想像できますね。
革は繰り返し曲がる動きに耐える強度があるからこそ、靴に使われてきた素材です。
しかし、乾燥して柔軟性が失われた革は、その力を発揮できません。
十分に潤った状態の革であれば、曲がることによる負担は小さくて済みます。
表面の擦れによる、革への負担
靴は元々、人の足を保護するためのものです。
生活のなかで足を守っているからこそ、靴は一日で何度も擦れてしまうのです。
擦れることによって、革には傷がつきます。
そのとき、乾燥してしまった革よりも、油分を含んで潤った状態の革の方がダメージを抑えられる可能性があります。
革の表面に、靴クリームに含まれる油分やロウ分の膜が薄く張っているからです。
表面が軽く擦れたくらいであれば、ブラッシングや乾拭きだけでも回復しやすいのです。
履き下ろす前には、一呼吸置いて
新しい革靴を買うと、気持ちが高まり、すぐに履きたくなってしまいます。
しかし、ほんの少し気持ちを抑えて、履き下ろす前のお手入れをしてもらえればと思います。
京都伊勢丹紳士靴売場で靴をお買い上げいただいたお客様には、その靴へのプレメンテナンスを無料にて承っております。
また、ご自身の手でプレメンテナンスをしてみたいと思ったときは、ぜひ私にお声掛けください。
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