靴磨きブラシの使い分け~山羊毛ブラシ~
こんにちは、京都工房の西澤です。
今回は「靴磨きのブラシの使い分け」の最終章。
“山羊毛ブラシ”についてのお話です。
靴磨きの最終工程「山羊毛ブラシ」
(写真:左)SANOHATA BRUSH × M.MOWBRAY手植えブラシ山羊毛 ¥18,700(税込み)
(写真:右)M.MOWBRAY プロ・ゴートブラシ ¥3,300(税込み)
豚毛ブラシで靴クリームを革全体に馴染ませた後、
革の表面を均一に整え、さらに光沢を引き出します。
このために必要なブラシの特徴は2つあります。
・毛が細く、柔らかい
・毛量の多い(毛の密度が高い)
この2つの特徴を兼ね備えたブラシが、山羊毛ブラシです。
横から見てみると毛の細さ、毛の密度がお分かりいただけるはずです。
実際に手で触ってみると、他のブラシと比べて圧倒的な柔らかさを感じます。
山羊毛ブラシ 使用前と使用後の比較
では実際に山羊毛ブラシを使用する前と、使用した後の仕上がりを見てみます。
豚毛ブラシでブラッシングした状態が上の写真です。
山羊毛ブラシを使用したことがない方にとっては、
「あれ、これでも十分な光沢感がある」と感じるかもしれません。
この状態から写真右側に山羊毛ブラシを使用します。
いかがでしょうか。
写真右側は黒色の発色が鮮やかになり、光沢が強くなりました。
豚毛ブラシよりも細く柔らかい毛質の山羊毛ブラシは、表面をより平滑に整えてくれます。
この最終工程は山羊毛ブラシ以外にも、
ネル生地(クロス)やグローブクロスといった布で行うこともあります。
”絶対に山羊毛ブラシでなくてはダメ”ということはありません。
山羊毛ブラシは靴磨きの楽しみを深めてくれる一本です。
細く柔らかい毛が生み出す、キメ細かい光沢。
コードバンの仕上げや鏡面磨きの仕上げなど、用途の幅広さ。
この魅力は、他のブラシでは味わえないものです。
「必ず必要ではないけれど、最も欲しくなるブラシ」
それが山羊毛ブラシです。
今の靴磨きからさらに一歩踏み込みたい方は、ぜひ一度お試しください。