靴磨きの基準点〜愛すべきスタンダードな靴クリーム〜
こんにちは。銀座工房です。
秋が深まるなか、スーパーで様々な品種のリンゴが並ぶことが、私の密かな楽しみです。
紅玉、ジョナゴールド、サンつがる、名月、王林、トキ…
首都圏のスーパーでもこれだけ多くの品種が並ぶ果物は、リンゴくらいではないでしょうか。
ここ数年、私は「トキ」の甘さと香りに惹かれているのですが、リンゴの品種代表といえば「ふじ」です。
バランスの取れた酸味と甘み、豊かな果汁と歯ごたえの良さ。
日本での品種別生産量トップを走り続けている「ふじ」は、多くの人が「リンゴといえばコレ!」と感じる王道の食味なのだと思います。
そんな「ふじ」の味、香り、食感は、様々な品種を食べ比べるときの、私の基準になっています。
さて、多くの種類があるというのは、リンゴに限った話ではありません。
弊社商品の靴クリームにも多くの種類があり、品種によってリンゴの味が変わるがごとく、クリームの銘柄によって使い心地や仕上がりが変わります。
今回のブログでは、そんな靴クリームのなかで、私が長年スタンダードとして愛し、クリームを比較するときの基準にしている商品を紹介いたします。
含有成分、配合バランスで変わるクリームの性質
革靴にクリームを塗る目的は、革を乾燥から守り、しなやかさを維持するためです。
また、革の種類に応じてではありますが、ツヤを出して表面を綺麗に整えるためでもあります。
その目的のため、革靴用のクリームに含まれているのが、油分やロウ分です。
成分そのものの違い、配合バランスの違いは、クリームの個性となります。
塗り広げるときの柔らかさ、革に塗ったときのしっとり感、ツヤの出方。使い比べてみると、それぞれに違いがあることがわかります。
そんなクリームの違いを把握するため、私が基準としているのが、弊社で取り扱っているM.MOWBRAY アニリンカーフクリームです。
無色のクリームで、革靴に限らず、皮革製品全般にお使いいただけます。
スタンダードとして愛してきた靴クリーム
この仕事を始める前、自分の靴を磨くなかで、靴クリームの違いは何となく把握していました。
違いをはっきり意識するようになったのは、弊社の工房で日々靴を磨くようになってからでした。
私が入社した当時、弊社で取り扱っていた靴クリームは6種類ほどありました。
そのクリームを使い続けるなかで、クリームの伸び、革への染み込み方、ツヤの出方などの差を体感することができました。
そこで、あらゆる要素が中庸にまとまっていたのが、M.MOWBRAY アニリンカーフクリームだったのです。
それに気づいて以来、アニリンカーフクリームは、クリーム選びに迷ったときの最初の選択肢として、また、新しいクリームが発売されたときの比較基準として活躍し続けています。
アニリンカーフクリームで磨いた靴
M.MOWBRAY アニリンカーフクリームは、私が靴磨きの仕事を13年間続けるなかで、最も頼りにしてきた靴クリームです。
派手さはないかもしれませんが、弊社のスタンダードとして自信を持ってお勧めできる商品です。
これから靴磨きを始める方にも、既にたくさんのクリームを使ってきた方にも、ぜひ、お手にとっていただければと思います。