靴を作る 第九話
みなさまこんにちは。銀座工房の七海です。
本日は、私の靴作りその後を前回までは、こちら↓
シャンク(土踏まず部分に挿入される芯材)作製
私は、シャンクを革で作ります。
足の折れる部分(『ジョイント』母趾と小趾の付け根、歩く際に屈曲、蹴り出す部分)
にかからないように、ラインをひき両足共に型紙作製
革を切り出していきます。
靴の背骨になる部分ですので、硬い硬い革を使用します。
靴作りでは、水を使うことが度々ありますが、
シャンクの革には絶対使用しません。
なぜか?と言いますと、
水につけてしまうとカビの原因になってしまうからです。
水につけることができないので、硬い革を気合で切ります。
革をカットし終えたら、両足共に靴に合わせて微調整。
再び漉き作業です。
段差ができないように革を漉いていきます。
踵部分の厚みと、前方コルクを入れていくので、重なる部分を漉きます。
漉き作業が完了したら、銀面側を接着するため粗しのり入れして貼り付けていきます。
こちらは、しっかり剥がれないように、
トンカチで打ちます。しっかり接着できていないと、
靴が歩くたびに、キュッキュッなる音鳴り靴になってしまいます。
色々ある音鳴りの原因
靴の音鳴りは、さまざまな原因が考えられます。
・シャンクの折れ、剥がれ ←オールソール等の修理が必要
・アッパー(表革)とライニング(裏革)の重なりの擦れ
・タンと羽根の擦れ ←クリームを入れることで改善することも。
・革と縫いつけている糸の擦れ
・靴の中のどこかしらが剥がれ動く度に革が擦れ合って
・インナーの剥がれ、サイズ調整で入れた中敷きとの擦れ ←剥がれの接着、サイズの合ったインソールに交換
・サイズが合っていない
・歩き方
などなど。
音鳴りの原因追及はとても難しく、原因によって対応も変わります。
改善できないこともあり、悩ましい問題です。
ちなみに、汗、雨などの水分を含むと革も糸も音が鳴りやすい状態になりますので
毎日同じ靴を履くのは避けることをおすすめします。
複数のパーツの組み合わせで作られる靴なので、多少音が鳴るのは仕方ないことなのかもしれません…。
靴作りに戻ります。
1つでも要因を消すためにもしっかり接着します。
しっかり接着をおこない、シャンク側面段差がないようさらに漉いていきます。
シャンクを整え終えたら、
次回、前方部分にコルクを詰めていきます。