コードバンのざらつきをキレイにしたい【後編】
シューケアマイスター部京都店の西澤です。
今回は、以前公開したコードバンケアの後編です。
この状態から、シワ周辺の白っぽさとざらつきを改善する方法の続きをご紹介します。
綺麗に磨き上げるための工程は3つでした。
1. 汚れを落とす
2. 圧力をかける
3. 光沢を出す
前編では1.と2.をご紹介しましたので、今回は3.です。
ブラッシングと乾拭きのみで仕上げる
前編の時点で、革にはクリームが塗られた状態です。
ここからブラシをかけて乾拭きをするだけでも、仕上げることは可能です。きちんと光沢は出ます。
しかし、今回は「コードバン特有の光沢を最大限に引き出す」を目標に、もう一歩踏み込んだ仕上げ方をお伝えしたいです。
靴クリームの塗布
今回使用する靴クリームはENGLISH GUILD(イングリッシュギルド)ビーズリッチクリーム(¥2,000+税)です。
このクリームの最大の特長は、強い光沢を出せること。
コードバンの特有のツヤを引き出すには最適なクリームです。
クリームを塗る際のポイントを一つお伝えします。
それは薄く塗ることです。
クリームを薄く塗れば、その後のブラッシングがスムーズです。
塗りすぎてしまうと、ブラシに引っ掛かりが出てしまい、仕上げまでに手間も時間もかかってしまうのです。
薄く塗るためには、クリーム塗布用のM.MOWBRAY ペネトレィトブラシ(¥400+税)を使います。
一回あたり、ブラシの端につくかつかないかの量を取ります。
片足で4カ所ほど場所を変えながら、ムラなく均等に塗り広げていきます。
ブラシでクリームを馴染ませる
クリームを馴染ませ、ツヤを出すためにブラシをかけます。
使用するのは2種類のブラシ。
どちらも毛が細く、柔らかいブラシです。
まずはSANOHATAブラシ・たてがみ(¥4,500+税)を使います。
細く柔らかい毛のためブラシ跡が残りにくい、たてがみブラシ。
コードバンのように表面をツルっと、強い光沢を出して仕上げたいときに相性が良いブラシです。
最後により細く柔らかいM.MOWBRAY×SANOHATA BRUSH 手植え山羊毛ブラシ(¥17,000+税)を使います。
段階を追って、より柔らかい毛のブラシに持ち替えていくことが、ブラシ跡を残さない綺麗な仕上がりにつながります。
仕上がりました。
コードバンはピカピカに磨き上げるには、少し手間がかかる革です。
しかし素材の特徴を意識しながら一つ一つの作業を行ってみると、その楽しさにハマってしまいます。