コードバンのざらつきをキレイにしたい【前編】
シューケアマイスター部京都店の西澤です。
コードバンとは、馬のお尻部分の皮を加工した素材。希少性が高く、牛革に比べて高価な革です。
光沢の強さと、履き込んだときの独特の風合いに魅かれて、コードバンの靴を購入した方もいらっしゃるのではないでしょうか。
コードバンで作られた革靴は、履いた後のこの表情が最大の特徴です。
深く入ったシワ。その周辺は白くなり、ざらつきます。
これは革のコンディションが悪いわけではありません。コードバンの特性です。
そして、ここから表面をツルっと光沢がある状態にすることが、コードバンを磨く最大の楽しみです。
そのための工程は3つ。
1. 汚れを落とす
2. 圧力をかける
3. 光沢を出す
今回は1.と2.の工程をご紹介します。
汚れを落とす
M.MOWBRAY PRESTIGIO ステインクレンジングウォーター ¥1,100(税込)
汚れ落としには液体のクリーナーを使います。
ステインクレンジングウォーターは適度に油分を含んでいるため、水分で状態が変化しやすいコードバンにも使いやすいです。
ステインクレンジングウォーターを指に巻いた布に取り、表面を拭きます。強く擦らないように注意してください。
圧力をかけて、ざらつきを改善する
アビィ・レザースティック ¥9,900(税込)
「これは何?」
店頭でよくご質問いただきます。
確かに、何に使うかわかりにくいアイテムですよね。
ざっくり表現すると、レザースティックは革に圧力かけるための道具です。
そしてコードバンのざらつきをキレイにするには、このレザースティックを上手く使うことがポイント。
コードバンはツルっとしていますが、その表面はコードバン層と呼ばれる元々は起毛した層です。
その状態から毛を寝かせて繊維を凝縮させることで、あのツルッとした状態になっています。
シワ周辺のざらつきの原因は、ここにあります。
元々が起毛している素材なので、革が何回も曲がることで起毛が表出してざらついてしまうのです。
ということはその毛を寝かせてあげれば、ざらつきは改善するはず。
起毛した部分を落ち着かせるには、まずM.MOWBRAY アニリンカーフクリーム(¥1,100 税込)を塗ります。
表面に薄くアニリンカーフクリームを塗ったら、レザースティックの出番です。
革に塗ったクリームが乾く前に、このようにレザースティックを使って表面から圧力をかけます。
ぐりぐりと押しても問題ありません。ある程度力を加えることで革の起毛した部分が落ち着いてきて、ざらつきが収まります。
今回はここまで。
ここから仕上げを施すことで、コードバン特有の光沢が戻ります。
後編ではbefore/afterの劇的な変化をお見せいたします。