使って育てる、革のインソール
こんにちは。FANS.エキュートエディション新橋の鈴木です。
”お気に入りのものを長く使う”
日々、お客様と革靴についてお話をしていると、長く、大切にものを使う感覚が、広く浸透してきているように感じます。
革靴は、お手入れをしながら付き合うことで、5年、10年と履き続けることができます。
何より、時間をかけて足に馴染んだ革靴は歩きやすく、手放せない一足になります。
これが革靴の醍醐味です。
この醍醐味を味わえるのは、実は革靴だけではありません。
靴用の中敷き(=インソール)には、革靴と同じように時間とともに足に馴染んでくるものがあるのです。
今回は、そんなインソールについてのお話です。
足に馴染んでくるのは、革のインソール
市販されているインソールの素材は様々です。
なかでも時間とともに足に馴染んでくるのは、革を使ったインソールです。
革は、力が加わった状態がしばらく続くと、その力がかかった形状を覚える(元にもどらない)性質があります。
この性質のことを可塑性(かそせい)と言います。
革が可塑性を持つ素材だからこそ、革靴は履く人の足に馴染んでくるのです。
ですので、革のインソールもまた、使い続けることで足に馴染んできます。
足裏の形状に変形したインソールは、その人の足に合った特別なものになります。
インソールに最適な革とは?
革を使ったインソール(=レザーインソール)は、革の性質ゆえに、時間とともに足に馴染んできてくれます。
そこで、次にインソールに適した革について考えてみたいと思います。
インソールには、足の裏が直接触れます。
ですので、インソールの素材に求められるのは、耐久性(摩擦への強さ)と吸汗性の高さです。
歩行のなかで足の裏と擦れるインソールは、摩擦に強くなければいけません。
また、足は一日でコップ一杯分の汗をかくと言われていますので、インソールにはその汗を吸収する力も必要です。
弊社のブランド club VINTAGE – M.MOWBRAY – のレザーインソールは、シープレザー(羊の革)を採用しています。
club VINTAGE – M.MOWBRAY
https://m-mowbray.com/club-vintage/
club VINTAGE – M.MOWBRAY -革靴が合わない時の対処法‐
https://m-mowbray.com/club-vintage-approach/
シープレザーは耐久性、吸汗性ともに優れており、さらに見た目にも美しい革だからです。
インソールを育て、長く使うための2つのポイント
足に馴染みやすく、耐久性も高いレザーインソールですが、ただ使い倒してしまっては長く付き合うことはできません。
次の2つのポイントを押さえておけば、自分の足に合わせてインソールを育て、長く使っていくことができます。
1.靴を脱いだタイミングで、インソールを靴から取り出す
2.1か月に1回は、インソールの形を整える
それでは、ポイント1.から見ていきましょう。
1.靴を脱いだタイミングで、インソールを靴から取り出す
インソールを育て、長く付き合うための1つめのポイントは、靴を脱いだタイミングで、インソールを靴から取り出すことです。
靴にインソールを入れたら、あとはそのままという方が多いかもしれません。
しかし、それではインソールの寿命は短くなってしまいます。
革を使ったインソールといっても、すべてが革でできているわけではありません。
弊社のレザーインソールの多くは、足の裏が触れる表面に革、裏面にはクッションを使っています。
このクッションは足当たりを柔らかくしたり、靴の中でインソールがズレることを防ぐために必要なものです。
しかし、クッション部分はその性質上、圧力や湿気によって靴の中にくっつきやすい状態になってしまいます。
一度くっついたインソールを力を入れて剥がすと、そのときにクッション材が崩れてしまうことがあります。
これでは、せっかくレザー部分が足に馴染んできたインソールも台無しです。
それを予防するために、靴を脱いだタイミングで、インソールは靴から取り外してあげてください。
インソールを靴から取り出しておけば、インソールが吸収した汗の水分も抜けやすくなり、一石二鳥です。
2.1か月に1回は、インソールの形を整える
2つめのポイントは、1か月に1回は、インソールの形を整えることです。
しばらく使ったインソールを靴から取り出すと、このような形になってしまっていることがあります。
足に馴染んでくれているのは良いですが、大きくシワが寄ってしまっている部分もあります。
この状態を放置してしまっては、シワが入った部分がどんどん傷んでしまいますし、インソールの足へのあたりも悪くなってしまいます
そこで、インソールの形を整えてあげる必要があります。
シワが寄ってしまった部分を、グッと手で伸ばしてあげるだけでも良いのですが、本などの重さがあって平らなものの下にインソールを敷いて、一日放置する方法がおススメです。
私は、二つに折った白い紙(コピー用紙など)にインソールを挟んで、シワが寄った部分の上に文庫本3冊くらいを乗せています。
この状態で丸一日おいておけば、ここまで形が整います。
これで、次にこのインソールを使うときも安心、快適です。
革を使ったインソールの馴染みの良さ、耐久性の高さは間違いないものです。
いずれインソールを買い替えるときはやってきますが、革靴を育てていくように、インソールも愛着を持って一緒に育てていただければと思います。
(クッション部分が崩れてきたり、革が擦り切れてしまったときが、買い替えのタイミングです)
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