コードバンのザラつきを解消!レザースティックで光沢を取り戻す
こんにちは。大阪工房のしおりです。
靴磨きが身近なものになってくると、いつもと少し違った素材の革靴も気になってくると思います。
牛革以外で靴に使われている素材は、ヤギ、ヒツジ、馬、ヘビ、トカゲなどの革です。
見た目以外にも牛革との違いがあり、実際に履いてみると色々な発見があります。
そんな牛以外の革で、私たち工房スタッフが触れる機会が多いのは、コードバンと呼ばれる馬の革です。
コードバンは、農耕用の馬の臀部(お尻)から採れる希少な皮革で、独特の光沢があります。
磨けば磨くほど、その光沢が増すことから、靴磨きが好きな方にとっては憧れの存在です。
コードバンのケアは、様々な方法があります。
以前のブログでは、履き始め(履き下ろしてから7,8カ月くらいまで)のコードバン靴を、短時間で磨く方法をご紹介しました。
本日は、そこから一歩踏み込んでみたいと思います。
履きこんだコードバン靴のケアに欠かすことができない、「レザースティック」というアイテムを使って、綺麗に磨き上げる方法をご紹介します。
レザースティックってなに?
当店にて販売しているアビィ レザースティック ¥9,900(税込)は、水牛の角を加工して作られたお手入れ用品です。
レザースティックを製作しているのは、イギリスの老舗メーカー「アビィホーンワークス社」です。
その役割を一言で表現すると、革に圧力をかける。
丸みを帯びた形状と硬さを利用して、革の表面に適度な圧力をかけて、革の凹凸や毛羽立ちを抑え込むことができます。
コードバンで作られた靴は、素材の特性上、屈曲部分がザラついてきます。
(コードバンの表面はもともと毛羽だっており、それをつぶして光沢が出されています)
このザラつきを改善するとき、レザースティックが役立ってくれるのです。
レザースティックでコードバンに圧力を加えれば、毛羽立ちを抑え、美しい光沢を取り戻すことができます。
レザースティックの使い方
それでは、レザースティックを使って、履きこんだコードバンの靴を磨いてみます。
こちらの靴は、甲部分に入ったシワの周辺がザラついています。
このザラつきは、コードバンの元々の毛羽立ちが、表出してしまったものです。
レザースティックを使って、毛羽立ちを寝かせてあげれば、キレイになります。
スティックを使う前に
スティックを使う前に、ザラついた部分とその周辺に皮革用のクリームを塗っておきます。
適量は片足あたり、米粒2粒ほどです。指に巻いた布に取って、革に押し込むように塗ってください。
使うクリームは、弊社で取り扱っているM.MOWBRAY デリケートクリームなど、保湿力が高いものがお勧めです。
スティックと革の間の潤滑油になると同時に、ザラついた部分のコンディションを整えることができるからです。
スティックで圧力をかける
ここから、レザースティックの出番です。
毛羽立ちに対してスティックを優しく抑え、上下や左右に動かします。
スティックの先端周辺を使用すると細かい部分も作業がしやすいですが、初めての方は、上の画像のように根本部分を使ってみてください。
先端部分は若干とがっているので、慣れないうちは、うっかり手を滑らせて、革の狙っていない部分を擦ってしまうことがあるからです。
スティックで様々な方向から圧力を加え、馬毛のブラシをかける。この工程を3~4回繰り返します。
最初は優しく、2回目以降は、少しずつ革を押す力を強めてみてください。
(最終的には、パン生地などをこねるときくらいの力で押します)
作業している部分の触り心地が、ザラザラからツルツルに変化すれば、スティックでの作業は完了です。
コードバンの光沢が復活
スティックを使った作業が完了したら、光沢が出るクリーム(弊社取り扱い商品の、M.MOWBRAY PRESTIGIO クリームナチュラーレなど)を塗って、馬毛のブラシをかけて完了です。
向かって左が、作業後の状態です。
シワが入り、ザラついていた部分が、見事によみがえっています。
レザースティックを使ったコードバン靴のケアは、シューケアのなかでも時間と手間がかかるものです。
しかし、時間と手間をかけた分だけ、その靴への愛着も一層深くなると思います。
手軽にできるコードバンケアの次のステップとして、ぜひ、アビィ レザースティックをご活用ください。
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シューケアマイスター靴磨き工房 大阪店
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