コードバンにデリケートクリームは使用できるのか?
皆さま、こんにちは。
銀座工房のはたのです。
本日は、
「M.MOWBRAY Prestigio リッチデリケートクリーム」
2種類のデリケートクリームがコードバンに使用できるのかお話ししてみたいと思います。
デリケートクリームとは?
スムースレザーの皮革製品全般に使用可能な保湿クリームです。
水分を豊富に含み、伸びよい質感が特徴です。
油分を少なく配合することで、サラッとした仕上がるほか、
ラノリン(革の柔軟剤)を配合しているため、革の柔軟性を保ってくれます。
(リッチデリケートクリームは「天然アボカドオイル」配合)
水に弱いコードバン?
コードバンの特徴と言えば、やはり「ツヤ感」。
スムースレザーでは味わうことのできない、あの独特な輝きを求めて購入される方も多いはず。
しかし、何かと手入れが大変なんだよね…なんて噂も耳にしたことがあると思います。
特に弱いと聞くのが「水分」。
ツヤが失われるのはもちろん…
水分がコードバンに付着すると、弾かれることなく吸い込まれ、
寝かしつけている繊維がほぐれ、シミや水ぶくれの原因につながります。
そこで繋がるのが本日の本題。
水分に弱いコードバンは、
水分の多いデリケートクリームが使えるのでしょうか。
「雨に濡れてしまったコードバン」
適した処理で乾いた皮革を保湿する
結論からお話ししますと、
水分の多い、保湿に特化したデリケートクリームは、コードバンに使用いただけます。
むしろ個人的には適度に水分を与えた方が綺麗に仕上がることがあります。
理由としては、
コードバンに油分だけを与えても革の柔軟を維持することができますが、
革の構造上、やはり水分を与えた方が本来のしなやかさを再現できます。
しかし、ポイントが3つあります。
①塗りすぎない
過剰な塗りすぎにはご注意ください。
皮革に余分な水分が残っているとシミの原因にもなります。
②ブラッシングを行うこと
コードバンメンテナンスで重要なポイントはブラッシング。
表面に溜まったホコリの除去はもちろん、
塗ったクリームを均一に伸ばし浸透させてくれます。
③塗って放置しない
塗って少し放置した方が浸透しそうですが、
固まってツヤがでない、シミになったなど。
均一に浸透させない、過剰に吸わせることは、
風合いの変化にも繋がりますので注意が必要です。
しっかり保湿したい場合は、塗布してブラッシングを2回繰り返す方法がもおすすめです。
「右足は保湿して仕上げたコードバン」
コードバンは弱い革ではなく、繊細な革です。
コードバン=弱い革というイメージもありますが、
決して弱い革ではありません。
屈曲にも優れ、強度もあります。
適したメンテナンスを行ってあげれば長く使用することのできる
優れた革です。
クリームを塗った後に均一に「ブラッシング」で均す。
日頃のホコリ落とし「ブラッシング」でツヤ感をキープする。
この2つのポイントを押さえれば、
綺麗にコードバンを保つことができやすくなります。
そして、繊維を寝かしつけている分、
コードバンは毛羽立ち、白っぽくなりやすいです。
その部分に、水分が入ると色がやや濃く仕上がることがありますので、
数回に分けてメンテナンスすると変化が起こりにくくなりますのでお試しください。
(クリームを塗ってブラッシング×2など)
この変化は、コードバン特有の味わいとして感じられると思いますが、
色が薄い物に関しては濃変化しやすいのでご注意ください。
(デリケートだけでなく、他の乳化性、油性クリームも同様です)
「白くなった履きシワ」
デリケートクリームで保湿してから仕上げると、
パサつきが抑えられた、潤いある仕上がりが期待できます。
コードバンのメンテナンスをまとめたブログがありますので
ぜひ、参考ください。
また、分からないことは工房で気軽にご相談を。
ご来店お待ちしております。
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